慣性移動vs6/5

マリオワールドで特に足止めをされることがない時は速度を49に固定しての慣性移動、

足止めされる箇所がある場合はそこまでを6/5走法で走るのがセオリーです。

6/5走法なら足止めされる箇所を越えた後すぐにダッシュ状態にできるのに対し、

慣性移動の場合は再加速のために大きなロスが生じてしまうからです。

しかし足止めされる場所までの距離が長い場合は2つの走法の微妙な速度の差が積み重なって

再加速する分のロスをなくすことができるはずです。

そこで今回はどれくらいの時間走り続ければこのロスをなくすことができるかを測定、計算してみました。

計算の前に測定方法は、

慣性移動＋再加速(速度49になるまで)及び6/5走法で一定時間走った時の

速度の合計を比較し、それが慣性移動のほうが大きくなる時の時間を求めるという方法にしました。

つまり、慣性移動の場合は地点Ａから地点Ｂまで49固定で進み、地点Ｂから地点Ｃまで再加速する。

6/5走法の場合は地点Ａから地点Ｃまで6/5走法で走り続ける。

そして地点Ｃよりあとは両方とも全く同じ動きをしてその先にある足止め箇所を越える、という状況です。








では、まず慣性移動や6/5走法の時にどれくらい差が出るのかを求めてみましょう。

6/5走法をしたとき、速度は11フレーム毎に48,47,48,47,49,49,49,49,49,49,49,…

と振動しています。

これらの和を求めると533となります。

一方慣性移動の場合は速度が常に49となるので11フレームの速度の和は49＊11=539となります。

つまり11フレーム毎に速度6の分ずつ慣性移動のほうが速くなっていくわけです。

速度6がどれくらいかは分かりませんがとにかく少しずつ速くなっていきます。



次に再加速する時のロス分を求めてみましょう。

着地2フレーム前からＹ＋進行方向キーでダッシュを開始したとき、

ダッシュ状態になるまでの速度の推移を下の表にまとめました。

フレーム	1	2	3	4	5	6	7	8	9	10	11	12	13	14	…
Ｐメーター	0	0	2	4	6	8	10	12	14	16	18	20	22	24
速度	49	49	48	47	46	45	44	43	42	41	40	39	38	37

フレーム	55	56	57	58	59	60	61	62	63	64	65	66	67
Ｐメーター	104	106	108	110	112	112	112	112	112	112	112	112	112
速度	36	35	36	38	39	41	42	44	45	47	48	47	49

…の部分は速度が5フレーム毎に36,35,36,35,37,…と振動しています。

また、Ｐメーターはフレーム毎に+2されています。

これらの速度の和を求めてみると2587となりました。

6/5走法の場合はこの間もずっと6/5走法で走っていくので、

地点Ｃ以降慣性移動と同じ動きをするように

1フレーム目が振動の5フレーム目になるようにすると

速度の和は49+533＊7=3780

慣性移動のときよりも1193だけ大きくなりました。



よって再加速のロスを取り戻すには1193／6=118…5　より

6/5走法119周期分、つまり1309フレーム慣性移動で移動すればよいことがわかりました。



1309フレーム、秒に直すと約22秒。相当長いですね。

こうしてみると足止め地点までの距離がよほど長くない限り、

6/5走法をすればいいということがわかります。

ただ20秒6/5走法を保つというのもそうとう疲れるんだよね。




(追記)実際に慣性移動で1309フレーム走ってみたら16ページと11マス分進めました。

相当な長さとかいってたけどオリジナルでも普通の面は18ページ程度あることから

そこまでありえないという長さでもないような気がします。

あと、いまさらですがマリオの速度とはアドレス7E007Bの値、

Ｐメーターとはアドレス7E13E4の値を指すものとします。